葉酸は摂取した方がいいの?葉酸不足の影響や適切な摂り方は?

カテゴリ:妊娠期の予備知識

記事の種類:妊娠の管理

妊婦さんはよく「葉酸の摂取」を勧められますよね?なぜ葉酸なのでしょうか。この記事では妊婦さんにとって葉酸が必要な理由、葉酸が不足した場合の影響について解説したいと思います。

葉酸欠乏で起きる可能性のある先天性異常とは?

まず、葉酸の摂取がなぜ大切であるかですが、葉酸が不足していると胎児の成長過程(妊娠4週頃)において、神経管の形成異常を来し、先天症異常を発症するリスクが高まるためです。

神経管は中枢神経の基になる器官(神経系の原基)ですが、神経管の下部で異常が起きた場合は二分脊椎症、また上部で異常が起きた場合は無脳症になる可能性が高まります。

二分脊椎症とは?

胎児の先天性異常の1つである二分脊椎症は、本来、脊椎管の中に収まっているはずの神経(脊椎馬尾神経)が脊椎管から飛び出した状態です。二分脊椎症が起きると神経の癒着や損傷が生じ、様々な神経障害を引き起こします。

なお、外科手術による治療が可能であり、一般的には出生後にすぐに治療が実施されます。しかし、赤ちゃんの膀胱や直腸に障害が残り排尿や排便が困難になる可能性があります。

無脳症とは?

無脳症は文字通り脳が欠損する症状です。一般的には頭蓋骨のてっぺん部分(頭蓋天蓋部)がなく、脳もないために頭蓋底部(頭蓋窩底部)がむき出しの状態になります。

殆どの場合は死産(約75%)か、もし生まれて来ても生後1週間以内に死亡します。妊娠4ヶ月頃には診断が可能であるため人工妊娠中絶が選択される場合もあります。

なぜ神経管の異常が起きるの?

これらの症状は胎芽の成長過程での神経管の閉鎖不全が原因で起こります。これは母体の栄養不足などの外因性の因子で発生する事がわかってきています。

ではなぜ神経管の異常が起きるのでしょうか?

神経管は2つの神経板が管状に合わさって生成されます。しかし、まだ根本原因は不明ですが、この神経管の形成時の管状になる前の神経板の融合が正常に行われずに隙間が開いた状態になり、きちんとした管にならない(閉鎖しない)事による閉鎖不全が要因で起きるという事は分かっています。

また、神経管形成異常の発生因子として、母体の栄養不足が要因の1つと見られており、神経管のような特に複雑な器官には、細胞の分化に十分な栄養(特にビタミンB)が必要なのです。

しかし薬剤等によるビタミンAの過剰摂取によりビタミンBが不足する事があります。

また妊娠初期には胎児への血液供給のために急激に大量の血液が必要となるため、多くの妊婦さんは貧血ぎみになります。

胎芽への栄養供給は血液が担っていますが、貧血により胎芽に栄養が十分に届けられない場合、神経系の形成時期において栄養不足状態となり、細胞分裂が正常に実施されず形成異常が起きるリスクが高まるとされています。

このため、特に妊娠初期では母体側のビタミンBの摂取と造血の促進が必要不可欠なのです。

もちろん神経管の形成異常が起きるのはごく稀であり、大多数の妊婦さんでは起きません。しかし根本原因は不明である以上、誰に起きるかはわからず、誰にでも起こりうるという怖さがあります。

葉酸の働きとは?

葉酸は水溶性ビタミンB9群の一種です。葉酸の働きは大きく分けて以下の2つです。

  • 細胞分裂を助ける
  • 造血作用

細胞分裂を助ける

ビタミンB9は遺伝物質を形成する重要な物質の1つである、核酸を製造します。また、この核酸はDNAとRNAの合成と修復、細胞分裂、細胞増殖を助け脳や神経系の形成に重要な物質です。

造血作用

またビタミンB9には造血(赤血球の生成)作用もあり、血液が不足しがちの妊娠初期の妊婦さんの造血を助け、貧血を抑制する働きがあります。

葉酸が含まれる食品とは?

葉酸(ビタミンB9)はホウレンソウの葉から発見されましたが、ホウレンソウ以外にもアスパラガスやブロッコリー、豆類にも含まれています。

葉酸の摂取方法は?

葉酸の摂取には、毎日ホウレンソウやアスパラガスを沢山摂れば良いと思ってしまいますが、葉酸は水溶性であるため天然の食品から多くを摂取するのは困難なのです。このため一般的にはサプリメント等での摂取となります。

摂取量の目安

1日の摂取量の目安は400μgです。

但し、胎児の発育に良いからといって過剰摂取は良くありません。葉酸を1日1000μg以上の過剰摂取を続けると、葉酸過敏症になる可能性があるため、必ず適量を毎日摂取するように心がけましょう。

この点でもサプリメントであれば摂取量の管理も楽ですね。

現在多数存在する葉酸サプリの中でイチオシは「ベルタ葉酸サプリ」です。

ベルタ葉酸サプリ

株式会社ベルタの「ベルタ葉酸サプリ」は厚生労働省が推奨している天然型のモノグルタミン酸型の葉酸480μg(1日4粒あたり)をしっかりと配合しており、それ以外にも178種類の栄養素、6種の美容成分(ツバメの巣、コラーゲン、ヒアルロン酸、珊瑚カルシウム、黒酢もろみ)を配合したモンドセレクション7年連続受賞の確かな製品です。

もちろん安心の無添加(香料・着色料・保存料・香料発色剤・漂白剤・防かび剤・膨張剤・苦味料・光沢剤・酸味料・増粘安定剤・甘味料・pH調整剤が無添加)、安全性チェック済み(安全安心マーク取得済み)、国内製造(GMP認定工場)です。

ベルタ葉酸サプリの製品詳細
内容量48.0g(400mg×120粒)
栄養成分(4粒あたり) エネルギー 3.79kcal
たんぱく質 0.12g
脂質 0.06g
炭水化物 0.69g
食塩相当量 0.0132g
ビタミンB6 3.23mg
ビタミンC31.4mg
ビタミンD8.5μg
ビタミンE6.5mg
葉酸 480μg
ビオチン 43.7μg
亜鉛10mg
カルシウム 250mg

その他のおすすめ葉酸サプリ

mitete

また、株式会社エーエフシーの「mitete」は、厚生労働省が推奨し、疫学研究でも実証済みであるモノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸)を効果が実証されている適正量である400μgを配合(1日4粒あたり)しており、2018年にモンドセレクション最高金賞を受賞した、こちらもしっかりとした製品です。合成着色料・香料・保存料はもちろん不使用です。

栄養成分の主な役割について

葉酸サプリには葉酸だけではなく様々な栄養成分が含まれており、「それって必要?」「どんな役割があるの?」と思ってしまう方もいるかもしれません。そこで各製品位含まれている主な栄養成分の役割について以下にまとめてみました。

栄養機能食品
ビオチン
亜鉛
ビタミンC
皮膚や粘膜の健康維持を助けます。
カルシウム骨や歯の形成に必要となります。
亜鉛は味覚を正常に保ち、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立ちます。
ビタミンB6たんぱく質からのエネルギー産生を助けます。
ビタミンC抗酸化作用があります。
ビタミンD腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助けます。
ビタミンE抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助けます。

まとめ

葉酸サプリは数多くの種類があり、製品によって含まれる栄養素、美容成分等は異なりますが、選択のポイントとなるのは適正量の葉酸(400~480μg)が含まれていること、無添加、安全性チェック済みである点になるでしょう。

もし妊娠中期や後期であっても、葉酸サプリの摂取は今更もう遅いという事はありません。葉酸は胎児の成長を助けるだけではなく、造血作用による貧血の抑止にも効果があるため、妊活~産後までの広い期間において妊婦さんにとっても必要な栄養素なのです。まさに、これから生まれてくる赤ちゃんや母親を守る小さな一粒ですね。

公開日時:2017年11月06日 20:58:32
最終更新日時:2022年03月06日 12:07:11

また、妊娠線(肉割れ)の予防には妊娠初期からの予防が大切になります。妊娠線予防クリーム選びに迷っている方は是非こちらの記事も参考にしてみてください。

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