妊娠中のカフェインの胎児への影響とは?いつから注意が必要?
カテゴリ:妊娠に影響するもの
記事の種類:妊娠の管理
カフェインとは?
カフェインはアルカロイドの1種であり、アデノシン受容体に作用することで主に中枢神経を興奮させることによる覚醒作用が知られています。
アルカロイドはケシ(アヘン)にも含まれ、それから抽出したものが鎮痛剤として用いられるモルヒネです。
つまり中毒性や幻覚作用があり人体にとっては有毒な物質ですが、一方で鎮痛剤や覚醒作用など医療にも用いられています。
※日本ではモルヒネは麻薬に指定されています。
カフェインも医療では総合感冒薬や鎮痛剤として用いられています。
胎児への影響は?
カフェインは中枢神経を興奮させる作用や利尿作用があり、どちらも血圧や心拍数を高めるため、過剰摂取すると胎児の発育を阻害するリスクがあります。
母親が摂取したカフェインは胎盤を通じて直接胎児に流入します。
問題なのが直接胎児血に流入することで小さな胎児にとっては意外に高濃度となってしまう事です。
また、胎児はカフェインを除去する機能(代謝機能)がまだないため、カフェインに対して無抵抗でありカフェインの影響を直接受けます。
赤ちゃんは子宮の中で、多くの時間を寝て過ごします。
赤ちゃんの睡眠のサイクルはとても重要で、胎児の睡眠と覚醒のサイクルは約20分ですが、カフェインの覚醒作用により睡眠のリズムが乱される恐れがあります。
※NST(ノン・ストレス・テスト)を40分間計測するのはこのサイクルに合わせたものです。
もし正しいサイクルで睡眠が取れない場合、発育不全となる可能性があるのです。
つまり母親のカフェインの大量摂取は胎児に覚醒物質の薬物を投与するのと同じ事なのです。
カフェイン摂取の目安は?
1日に300mg以上のカフェインを摂取した場合、流産や早産の可能性が高まるとされています。
妊娠期には、カフェインの摂取は1日あたり200mg未満が推奨されています。
※1日あたり150mg以上のカフェインの摂取でも多いという専門家もいます。
カフェイン200mgは11オンスのカップ1杯分(約300ml)のコーヒーに相当します。
スタバの場合、ショートサイズは240ml、トールサイズは350ml、グランデサイズに至っては470mlです。
つまりトールサイズ以上は1杯でもアウトという事になります。
気をつける時期は?
カフェインによる流産や早産のリスクのある時期は、妊娠初期から正産期である妊娠37週までとなります。
ただし母乳にもカフェインは含まれるため、母乳授乳を行う場合は、授乳期間も控える方が無難です。
カフェインを摂取しないためには?
カフェインを摂取する事自体がNGではありませんが、とはいえ、できるだけ摂取しないほうが望ましいでしょう。
カフェインはコーヒーだけではなく、コーラや紅茶、緑茶にも含まれます。
これらの飲み物を避けることでカフェインの摂取量を大幅に減らす事ができますが、カフェインレスのコーヒーでもおいしいものはあり、もし飲みたくなったら以下のようなコーヒーがお勧めです。
公開日時:2017年12月03日 19:10:01
最終更新日時:2022年03月05日 19:12:08